ABOUT

はじめまして。
当サイトは、2022年10月に立ち上げた長崎市南部地区のローカルウェブマガジンです。

「Nambu Wave」と名付けました。韻を踏んでます。

Location : 平山台

ローカルメディアが乱立するいま、なぜ立ち上げたのか

2019年の春。僕はアマチュア物書きとして、いろんな場所や人にスポットを当てた文章を書くことをはじめました。

当時は「書きたい!」という衝動や、あたらしいものに出逢える好奇心に後押しされて、走っても走ってもゴールの見えないマラソンを心の底から楽しんでいたように思います。

いくつもの文章を公開していくうちに、少しずつ僕の記事を読んでくれる人たちが増え、気づけば文章を書くことで報酬をいただくようになっていました。

僕は、おいしいものを食べているときの家族の笑顔に幸せを感じる人間です。いただいた報酬で家族と食べるごはんは、それはそれはおいしい。

もちろん、忙しさに辟易したり、この文章でいいのかと頭を抱えることは山ほど経験しましたが、それでも充実感の方がずっと大きい。視野も、人脈も、表現の幅も、驚くほどに広がっていくもんだから。

当たり前のことですが、お仕事とブログはちがいます。クライアントには情報を届けたい層がいて、見込んでいる効果があって、その大きな目的に向かって進んでいく過程で求められるのは、ずばり合理性。(あくまで「個人で運営するものと比較して」という意味なので、求められるものはもっとたくさんあります)

その感覚を養えれば文筆業に限らずいろんな場面で応用できるし、あると超便利です。「書くこと」だけで進んできた僕にとっては、思わぬ副産物でした。

ただ、その感覚が研ぎ澄まされていく中で、じわりじわりと「これが書きたいんだ!」という自分の感情に蓋をしていることに気づきました。正しくは、気づいたまま放置してきました。だってお金にならないから。合理性に欠けるから。

文章を書くという行為は、結構なエネルギーを消耗します。そして、消耗したエネルギーを回復するために何をするかと言うと、また書くんです。僕にとって文章は仕事であり、感情を受け止めてくれる相談相手であり、セラピーなのです。

けれども、先に書いたような合理性オバケになっていくと、感情はひらひらと空気中を漂うばかりで、回復するために書くこともやめてしまう。

声をかけていただくことだけに頼りきってしまわないように。少しずつ僕自身の土壌をつくっていけるように。

僕が書く文章を必要としてくれる人に、大好きなまちの、魅力ある人たちの物語を残していくための場所にしていきたいです。

たくさんの物語に触れられる場所に

ここに書き認めていく文章を、どんな人に届けたいだろうと考えてみました。

まちづくりに情熱を注いでいる人、地元だからと何気なく暮らしている人、このまちを離れて外で暮らす人。そして、このまちが好きな人、嫌いな人。そのどれもに当てはまった経験のある僕には、とてもじゃないけれど選べない。

ただ、それぞれがまちに対して異なる感情を抱く中でも共通点はあります。同じ学校の同級生だったとか、あの頃のあのイベントに参加していたとか。

道を分けていくのは、何かしらのきっかけやタイミングだったり、その人自身の性格や人生観によるもの。それは決してネガティブなことじゃないし、だからこそ同窓会や友だちの結婚式になると思い出話に花を咲かすことができる。誰にとっても「ただいま」と言える場所であることに変わりはありません。

僕が届けたいのは、「おかえり」と声をかけたい人たちなのだと思います。

とは言え、僕はこのまちの守り神でもなんでもないし、生まれも育ちも土井首のいわゆる「土の子」の一人にすぎません。

だからこそ、このまちの魅力ある人たちの声に耳を澄まし、大切な物語に触れることで、このまちが生きている証を残していく。声高らかに志を表に出すことに少しばかりの恥ずかしさを感じていますが、これが僕のライフワークです。

ある時は、凪いだ海のような安心感を。
またある時は、心揺さぶる漣(さざなみ)を。

寄せては返す静かな波のように、柔らかな言葉を紡いでいきたい。
そんな想いを込めて「Nambu Wave」と名付けました。

更新頻度は高くありませんが、ゆっくりとご愛読いただけると嬉しいです。
どうかお手柔らかにお願いいたします。

Location : 柳埠頭

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長野 大生

長野 大生

Nambu Wave 編集長

1994年・土井首生まれ。瓊浦高校卒業。会社員として働く傍ら、長崎市を拠点にWebメディアや刊行誌の執筆を手掛ける。2021年には「長崎を舞台にショートショート塾」(長崎伝習所塾)を企画し、塾生とともにショートショートアンソロジー『道に落ちていたカステラ』を発行。2023年現在、ひとり出版社・移動書店「しっぽ文庫」を小さく営んでいます。